ワインセラーの導入を検討している方、または既に持っている方でこんな疑問や課題をお持ちはないでしょうか?
- ワインセラーを導入したいけど設置できるスペースが限られている
- ワインセラーを購入するならワンサイズ大きめのものが良いとアドバイスされた
- 日々楽しむワインと長期熟成ワインがあり、出来る限り多収納のワインセラーが欲しい
- 実際に購入してみたけど、大きさの割に思ったほど収納できない
- ワインが増えてしまって今持っているセラーでは収まらなくなりそう
「省スペースで多収納なセラー」が求められています
今回のテーマは、「省スペースでありながら、出来るだけ沢山のワインを保管できるワインセラー」を探すヒントをお伝えすることです。
理由は、多種多様なワインセラーがラインナップされている中で、特にユーザーが重視する2つのポイントを掛け合わせたものだからです。
- 省スペース性
- 収納力
この2つをまとめると、「省スペースで多収納なワインセラーが欲しい」となります。
近年、ワイン好きが高じてセラー導入を考える方が増えてきました。その中で一番のハードルは、「設置スペースを確保する」ということです。「他に置き場所がない。限られたスペースだからこそ、できるだけ沢山のワインを保管して有効活用したい!」ということがユーザー心理なのです。
省スペースであることと多収納であることは基本的にトレードオフの関係です。製品サイズに比例して収納できるワインの本数が決まりやすいのが事実です。その中で当社が考える「省スペースで多収納なセラー」を見極める方法をお伝えできればと思います。
製品サイズの「横幅と奥行」に加えて放熱スペースを確認しましょう
様々なサイトでワインセラーを見比べてみると「スリム・省スペース・薄型」などの宣伝で販売されています。たとえば横幅が15cmほどしかないものもあれば、収納本数を10本未満に抑えた超小型製品など多様です。
どの製品が「省スペース」なのかを知りたいという場合、まずは製品の実寸サイズを確認すると思います。
ここが誤解のポイントです。
製品のサイズだけではワインセラーの「省スペース性」を比較できないのです。
ワインセラーの省スペース性 = 放熱スペースを含めた横幅と奥行の寸法
ワインセラーはどんなものでも「放熱スペース」が必須です。なので、製品のサイズに加えて放熱スペースまで加味した寸法で比較することが「正しい設置面積の比較」となります。放熱スペースとは、冷却性能を維持する為に熱を庫外に排出するスペースです。製品の実寸に加えて確保しければならず、製品ごとに固有の寸法が指定されています。
放熱スペースは製品ごとにちがう。だからこそしっかり確認をしたい
下記に製品の外形寸法と放熱スペースを加味した実際の設置寸法の一覧表を作成してみました。
この表からは、製品の横幅が280㎜しかなくても放熱スペースを入れると480㎜のスペースを確保しなければならない製品もあれば、たったの2㎜しか必要のない製品もあります。背面側に150㎜必要な製品も存在するということがわかります。
製品によって放熱する場所や設計思想が異なるので、マチマチなのです。
製品サイズだけで選んでしまうと、設置環境が使用要件を満たさずに正常な機能を発揮しない恐れがでてきてしまいます。このような事態を防ぐために放熱スペースを加味した「実際の設置寸法」を確認しておきましょう。メーカーによっては放熱スペースの記載箇所が見つけにくい場合があるので、販売店などを通じて確認してもらうのも良いと思います。
設置面積を㎡(平米)換算してみる
設置寸法がわかると、製品の設置面積を知ることができます。わかりやすく住宅の広さの単位と合わせて㎡に換算して表記してみます。
設置面積効率を数値化 省スペースで多収納なセラーの参考指標
さらに、設置面積を収納本数で割ると「収納効率」が数値化できます。この数字が大きいほど効率的と言え、つまり「省スペースで多収納」な製品かどうかの参考指標になってきます。ワインセラーを購入した後に「思ったほど入らない」「もっと大きいセラーにすればよかった」と後悔しないためには、是非参考にしていたただきたい比較ポイントになると思います。
省スペースで多収納なセラーは小型製品で求められやすい
設置面積効率で比較すると、100本以上をストックできるような大型タイプになるほど収納効率が良い傾向となります。理由は単純で、製品の背が高いためです。タワーマンションのように高さをかせげば、ワインを多段保管できます。その結果、設置面積あたりの収納性は効率的となります。
逆に、高さを稼ぎにくい40本以下の小型製品でいかに収納効率を上げられるかは、差が出やすいポイントです。ワインセラーを購入する方の9割以上は、10万以下の予算。設置スペースに悩む方の多くは小型のワインセラーを検討しています。つまり「省スペースで多収納なセラー」は、小型製品に強く求められている「機能」であることが推測できると思います。
同程度の収納力がある製品を面積効率で比較する
同じくらいの収納本数で製品ごとの面積効率を比較すると「省スペースで多収納」の差が見えてきます。実際に市場で販売されている代表的な小型製品を「12本~23本」と「24本~40本」までの製品で分類し、様々な製品の設置面積効率を調べてみました。さくら製作所では面積効率を考慮した設計思想を取り入れていますので、当然競合他社より優位な点になります。ここでわかることは、同じくらいの収納本数で比較しても面積効率で見ると違いが見えてくるということです。
以上、ワインセラーの設置面積や収納本数を比較するための記事でした。
日本の住宅事情を考慮すると、コンパクトな設置面積のセラーは必須です。一方、できる限り沢山のワインを保管できれば素晴らしいワインを知る機会もその分増えます。お気に入りのワインとの出会いが新しい思い出になるかもしれないと考えると、収納本数が多いことは同じく大切なことでもあります。ワインセラー選びに「省スぺース」と「収納性」の両方を求めるのは自然なことなのです。
小型製品で面積効率の良い製品は課題がいっぱい
最後に、設置面積効率の高い製品開発にはとても難しい技術的な課題が沢山あります。この課題をどうやってクリアし、どのようなユーザーメリットに繋がっているのかは別の記事でご紹介していきたいと思います。