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『コンプレッサー式 ワインセラー』の違い。~選ぶときに知っておきたいこと~

今回の記事では、「コンプレッサー式ワインセラーの違い」について解説します。同じコンプレッサー式でも、機種によって冷却構造に違いがあります。

夏が近づいてくると、ワインセラーの需要が高まります。とりあえず、「コンプレッサー式」を選んでおけば「夏を乗り切れる!」と思っている方が多いと感じます。 しかし、コンプレッサーを使っているモデルほど「冷却力がある」と言えても、酷暑の時期でも安心してワインの「温度管理ができる」とは言えないのです。

どんな機能があれば、ワインの液体温度が安定するのか、酷暑の季節も安心してお使いいただける「コンプレッサー式 ワインセラーの選び方」を紹介していきます。

    目次

  1. 酷暑とは
  2. 理想のセラー
  3. 夏に強いワインセラーを選ぶ『5つ』の確認ポイント
  4. おススメの機種

1. 酷暑とは

酷暑とは、「真夏の厳しい暑さ」のことです。気象庁のwebサイトには、気温によって「夏日」、「真夏日」、「猛暑日」と、夏の暑さをあらわす呼び名が定義されています。一方、「酷暑日」は記載がなく、「猛暑日」の俗称として使われています。

ワインセラーなど冷蔵機器の関連法規にも「酷暑対応」の言葉は記載されていませんので、下の表より「気温」を目安にしましょう。

酷暑日(読み)こくしょび (大辞林 第三版より)
俗に、最高気温が 35℃以上の日。

1990 年代初め頃からマスコミなどが用いた表現。気象庁は 2007 年(平成 19)4 月以降、猛暑日を正式な予報用語とした。


2. 理想のセラー

夏でも安心して使用できるワインセラーとは、端的には「猛暑日でも、お好みの温度がキープできる」製品です。しかし、下記すべてを完璧に満たす製品は今のところなく、この理想に近づけるように様々な企業が日夜開発に勤しんでいます。

  • 外気温35℃、設定温度マイナス5℃でも数時間以内に冷やせる
  • ドアを開けても15分以内に設定温度に復帰する
  • 保管されている物のすべてが均一に温度管理できる
  • 動作音がしない超静音
  • ガラスドアなのに結露しない
  • 夏も省エネで維持費がお手頃

3. 夏に強いワインセラーを選ぶ『5つ』の確認ポイント

さて、ここが本題。「夏に強いワインセラー」を選びたいなら、これからご紹介する項目を確認することでお好みの製品を探すことができます。

当社は「0℃」で管理できる製品や、「-5℃」にもなる業務用日本酒セラーも作っていて、ワインセラーを超えた冷蔵機器の知見を持っています。熱と向き合うことで得た、夏に強いワインセラーを選ぶ『5つの確認ポイント』をご紹介します。

確認ポイント

  1. 法律上の「気候クラス」を満たした製品か?
  2. 製品の最低設定温度で試験したデータを確認できるか?
  3. どんな冷却器を搭載しているか?
  4. ファンモーターは搭載されているか?
  5. ただの2重ガラスドアでないか?

Q.1 法律上の「気候クラス」を満たした製品か?

A. 温帯気候クラス(SN/N)以上に合格した製品を選びましょう

夏でも良く冷える「性能」の裏付け材料として、法律上の「気候クラス要件」を満たすことが最初のポイントです。ワインセラー等の冷蔵機器は、製品の安全性を満たす規格である法律(電気用品安全法 以下、「PSE」)を守って製造することが義務づけられています。その中で、「気候クラス 」の表記が求められる基準があります。何の気候クラスを満たしているかは、製品のラベルで確認できますし、製造元にお問い合わせしても良いでしょう。

電気用品安全法(PSE)の省令2項の技術基準(気候クラス)

気候クラス

ショーケース以外の
表記記号

ショーケースの
表記記号

試験温度範囲

当社シリーズ

広域温帯 SN
1~4
10℃~32℃(±2℃)
温帯 N 16℃~32℃(±2℃) Pro Class

亜熱帯

ST

-

18℃~38℃(±2℃)
Furniel
Zero Class
Zero Advance
熱帯 T 5 18℃~43℃(±2℃) ZERO Chilled

PSEには2つの規格が存在し、国際基準がベンチマークである「省令2項」にだけ、「気候クラス」の表示義務が課されています。ある国で問題なく使用できても、環境が変わるとその限りではないからです。近年のように「猛暑日が続く」と考えるなら、亜熱帯地域向けの「気候クラス:ST」 以上に合格している製品は「理想的」と言えます。


電気用品安全法(PSE)の省令1項と省令2項の違い

省令

気候クラスの表示義務

規格

試験項目

当社製品

1項 なし 日本 普通 SS46
2項

あり

国際 やや多い SS46を除く全機種

JIS C 9335-2-89:2005 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性− 第2-89部:業務用冷凍冷蔵機器の個別要求事項 箇条5.7 箇条6.101 気候クラスの表記より

Q.2 製品の最低設定温度でも試験しているか?

A. 設定温度「0℃」や「5℃」でも独自試験を実施しているか確認しましょう

全力疾走は短距離しかできないのと同じで、製品にもある程度の余力があったほうが長い時間使うには安心材料です。それを知るには、製品の「限界性能≒余力」を確認することが大切です。

PSEの適合試験だけでは不十分なのは、試験条件が、 設定温度「12℃」に過ぎないからです。多くのワインセラーは「5℃」くらいが最低温度です。この時の外部環境が何℃かを知ることができると、ワインの熟成に適した「10℃以上」で使用する際の余力を知るヒントになります。

高外気温時の低温冷却運転は、製品に最も負荷がかかります。高負荷環境でもテストしておくことで、消費者に製品の本当の性能を伝えることができます。「0℃」や「5℃」などの製品ごとの『最低温度』でのパフォーマンスを確認できたほうが良いでしょう。

設定温度ごとの冷却動作安定時の『周囲温度』一覧

最大周囲温度=N
 ZERO Advanceシリーズは、設定 0℃のとき、N≧32℃ ( 気候クラス:SN-N相当)

設定温度 12℃はJIS規格による。それ以外の設定温度は自社基準による。


シリーズ名
設定温度
12℃(JIS規格) 5℃ 0℃
FURNIEL 38℃ 32℃ -
ZERO CLASS 38℃ 40℃ 32℃
ZERO Advance 38℃ 40℃ 33℃
PRO CLASS 32℃ 32℃ -
SAKURA JAPAN(SS46) - 38℃ 32℃
ZERO CHILLED 43℃ 40℃ 32℃
氷温M2 43℃ 40℃ 32℃

Q.3 どんな冷却器を搭載しているか?

A. 防錆化処理を施した、フィンタイプの冷却器を選びましょう

亜熱帯と聞いたときに、「気温が高いだけでなく、雨が多くてジメジメしているところ」を思い浮かべないでしょうか?

法律の解釈では、「多湿を想定せよ」とは規定されていませんが、当社では亜熱帯を「高温且つ多湿」と理解し、即ち「最高気温が35℃以上で平均湿度80%(※)を超えるところ」と解釈しています。


「多湿」を想定した場合、具体的には冷やすための部品である「冷却器」に対して、『防錆化対策』が検討できます。ワインセラーは「10℃~18℃程度」の中域温度で使うことが多いので、水分が霜(氷)とならず常に水滴が付着した状態。ジメジメした環境での動作であるほど、冷却器に多量の水分が吸着することによる配管の腐食リスクを懸念しなければなりません。

このリスク低減を目指す方法として、「カチオン電着塗装」を冷却器に施せば、防錆化対策できるのです。素材特性でも高い耐食性を持っている「アルミニウムや銅」を、さらに真っ黒な塗装でグレードアップします。日本の夏に適した処理と言えるでしょう。

湿度80%は、文部科学省国立天文台編「理科年表」より6月―7月の全国平均湿度より想定

SS46は除く

一部機種は途中から変更

カチオン電着塗装
冷却器(エバポレーター)を浸漬させ陰極(-)とし、低濃度で水溶性の電着塗料陽極(+)の中に、直流電流を掛けて異なる極性の静電気を負わせることで塗装する電着塗装技術です。非常に高い耐食性、防錆力を持つ塗膜を形成します。

Q.4 ファンモーターが搭載されているか?

A. ファンモーターが搭載されている製品を選びましょう

ワインセラーには2種類の「冷却器」のタイプ(詳細は後述)が使われています。冷却器のタイプによって、ファンモーターが使われていない製品(※1)があり、その違いが根本的な「冷却に対する考え方の違い」となっています。

たとえば、部屋を涼しくしたいとき、エアコンを使うのと似た構造が「フィン冷却器」を使った製品。特長は、ファンモーターによって冷たい風を庫内に送り届けられることです。もう一方の、「ロールボンド」と呼ばれるタイプは、パネルエアコンのような、壁を冷たくして空間を涼しくしようとするイメージ。輻射(ふくしゃ)効果を期待して冷却するので、風を使いません。

1.ロールボンドタイプでファンを使う製品も稀に存在します。


素早く効率的に冷やすことができるのは、ファンモーターが搭載されているフィン型のタイプ。国産の大型冷蔵庫では、ほぼこのタイプの冷却器が主流です。

外気温が高くて低温で使用したい場合、つまり、夏に「キンキン」で冷やすことは、製品にとっては最も過酷な状況です。こんな時ほど、ファンを使って強制的に風を送ることで、冷気を必要な場所に素早く届けられるのです。


Q.5 ただの2重ガラスドアでないか?

A. 3重ガラスか、アルゴンガス入りのガラスドアを選びましょう

ワインセラーにとって、デザインの主役はガラスドア。しかし、「冷やす」ことにおいてはネックとなる存在です。ドアからの熱侵入が全体の50%を超える製品もあるので、2重のガラスでは冷却性能のロスが生じやすくなってしまいます。反面、「3重」よりも「2重」にしたほうがコストメリットが高まるので、ガラス間の空気層を「アルゴンガス層」とすることで、 30%程度(※1)の性能アップを期待できます。

ガラスが3重なら、さらなる高性能化を期待できるのは当然。ドアが「3重ガラス」であるかを確認するだけで、「熱」に強いことを知る手掛かりとなるでしょう。

アルゴンガス (Argon) 
空気より重くて熱を伝えにくい不活性ガス。ガラス間の空気をアルゴンガスとすることで、気体の対流を抑制して熱の発生を低減します。この結果、ガラスの断熱効果が高まります。

「結露リスクの低減」を考えたドアが望ましい

ガラスドアを使っている限り、気候クラス「38℃」に合格しても、そのまま動作保証範囲をお伝え出来ないのがワインセラーです。ガラス表面の「結露」を想定しなければならないためです。

気温が高くなるほど空気は沢山の水分を含むことができます。一方、ワインセラーの動作時間は外気温が高ければ長くなるので、その分庫内側ガラスは冷えます。この結果、ガラス表面が結露します。

ガラスは遮熱効果を期待できない素材。3重ガラスのほか、アルゴンガスの封入やLow-E膜の貼付け、真空ガラスなどを付加して結露対策を講じます。家庭用を想定した機器であれば、省エネの点からドアヒーターで結露を抑えるのではなく、「対熱」のスペックを高めることで「結露リスクの低減」を考えたドアが望ましいと言えます。

1. 当社調べ

2. 動作保証は取扱説明書及び保証規定に記載

3. 業務用日本酒セラーに「真空ガラス」を搭載

効率は下がるけどコストダウンできる『ロールボンド冷却器』

先に紹介した2種類の「冷却器」。「ロールボンド」と「フィン」タイプ。最後に、根本的な「冷却に対する違い」を説明します。理解すると、「コストや目的に応じた製品」を知るうえでも参考になります。

まず、1970年代に冷蔵庫の主流として使われた、アルミニウムの板を貼り合わせた「ロールボンド(直冷式)」というタイプの冷却器。現在でもホテル客室に設置されるような「小型冷蔵庫」があると、氷を作る部分の板が「凍っている」のを見たことはないでしょうか?

庫内の見える位置に配置されていることが多い薄板状の部品です。
ワインセラーにおいて、配管に薄いアルミフィンを通した「フィン(間冷式)」の冷却器であった方が良いのは、冷却面積が大きく(※1)取れるので高効率であるためです。その反面、コストは上がってしまいがち。「コンプレッサー式」は同じでも、「冷却器の差による構造の違い」は一括りにはできない大きな「差」を生むことから、以下に特長をまとめています。


ワインセラーの「冷却器」の比較による製品特長一覧

冷却器のタイプ

ロールボンド

フィン

冷却方式名

直冷式、自然対流式 間冷式、冷気強制循環式

形状

薄板 配管+フィン

コスト

低コスト化しやすい 高コストになりやすい

製品サイズ

奥行寸法を小さくできる 冷却器の分奥行きが必要

温度管理

不正確になりがち 制御しやすい

低温維持

難しい 可能

静音性

ファンがなければ静か ファン次第で音が生じる

ファンモーター

基本無し 必須

消費電力

高くなりやすい 低く抑えられる

霜取りの手間

かかる かからない

霜取り機能

基本無し 取付可能

ワインの熟成

長期熟成 短期保管 + 長期熟成

ビール、日本酒

小型冷蔵庫で足りる 小型冷蔵庫より高スペック

寒冷地仕様

困難 可能

暑さ適応力

普通 強い

冷蔵庫なら

小型製品向け 大型製品向け

ワインセラーなら

ビギナー向け低価格モデル すべての用途

1. フィン冷却器の冷却面積は、ロールボンドより20倍以上大きいこともあります(当社設計による)

2. 当社製品は全機種「フィン型」冷却器です。

4. おススメの機種

当社の製品ラインナップの中で、もっとも夏に強いワインセラーは「ZERO Advanceシリーズ」。シリーズ特長は、少ない電力で、日本酒を低温管理したり、キンと冷えたビールが飲める機能です。夏にもしっかり冷やせることが、ワインセラーでの温度安定にも寄与しています。

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