ワイン選びはぶどうの品種から!初心者がまず覚えたいワインぶどうの特徴

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SAKE TALK 編集部

世界では毎年数えきれないほどのワインが発売されています。ワイン初心者にとって、数あるワインの中から自分の好みに合う銘柄を見つけ出すのは至難の業です。

そんなときに、まず参考にしたいのがぶどうの品種。ワインはぶどうのみを発酵させて作るシンプルなお酒です。つまり、ぶどうの種類によってワインの味わいが大きく左右されるのです。この記事では、ワイン選びの前に知っておきたい代表的なぶどうの種類を紹介します。

ぶどうの種類とワインの種類の関わり

冒頭で述べたように、ワインの味の決め手はぶどうの種類です。そしてぶどうの種類によってでき上がるワインの種類も変わります。一般的なワインの総称で、泡立ちのない非発泡ワインを「スティルワイン」といい、大きく分けると赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、デザートワインがあります。

もしかしたら、ロゼワインは赤ワインと白ワインを混ぜて作っていると思う人もいるかもしれません。しかし、実は多くの国で赤ワインと白ワインを混ぜることは禁止されています。そのため、それぞれのワインに適したぶどうを使い分けています。各ワインは、具体的に下記のような製造方法の違いがあります。

赤ワイン

使用するぶどうは皮が黒っぽい色をしている黒ぶどうです。ぶどうの実を皮も含めて丸ごと発酵させて造られます。そのため、皮の色素成分が染み出て、深い色合いの赤ワインが出来上がります。

白ワイン

黄緑色の皮をした白ぶどうを使用して造るワインです。白ワインは、ぶどうを絞った後の果汁を発酵させて造ります。そのため、透き通った色のワインができあがります。

ロゼワイン

ロゼワインは、赤ワインと同様に黒ぶどうを使用しますが、製法は赤ワインとは異なります。以下のいずれかを使って作られます。

  • セニエ法:赤ワインと同様に皮ごと発酵させ、少しワインが色づいた段階で果汁だけを抜き取ります。タンニンが多く含まれた仕上がりになります。
  • 直接圧搾法:白ワインと同じ作り方で、黒ぶどうの果汁だけを発酵させます。フレッシュな味わいに仕上がります。
  • 混醸法:黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて発酵させます。ただし、ワインを混ぜるのではなく、発酵前のぶどうの段階で混ぜます。

なお、スパークリングのロゼワインに限っては、赤ワインと白ワインを混ぜて作られる場合があります。

デザートワイン

糖度の高い甘口のワインで、「デザートワイン」の名前の通り、主に食後に飲むために甘くなるよう設計されています。ブドウ果汁の糖度を上げたり、発酵を途中で止めたりすることで、砂糖を使わずにワインを甘くする工夫がされています。

では、それぞれのワインにつかわれるぶどう品種にはどんなものがあるのでしょうか。次の章から、赤ワインと白ワインの代表品種を紹介します。

赤ワインに使われる代表的なぶどう品種

まずは、赤ワインに使われる代表的なぶどう10種です。

カベルネ・ソーヴィニヨン

香り:カシス、プラム、ブルーベリーなど
味わい:濃厚なタンニンとコク、やや強めの酸味
おすすめペアリング:サーロイン、フィレ、牛肉の赤身を使った料理

ワインブドウの「王様」とも呼べる最も代表的なブドウ品種で、「カベルネ・ソーヴィニョンを知らずにワインを知ることはできない」と言えるほど世界中で生産されています。カベソー、CSと略して記載されたりすることもあります。

フランスボルドーの五大シャトー(第一級)に代表される品種ですが、アメリカやチリ、南アフリカ、アルゼンチンなどの国でも、このブドウ品種によって大成功を納めています。様々な気候や土壌に適応力があるため、赤ワイン用ぶどうの中でも特に世界で幅広く栽培されています。

小粒で果皮が厚く、種も多いため、濃厚なタンニンとコクが生まれます。若いうちはしっかりとしたタンニン(ポリフェノールの一種で、苦味・渋みのもと)が味わえますが、長期熟成をすると優美で複雑な風味に仕上がります。ポテンシャルの高いぶどうとして知られています。

フランスボルドー産は、他のブドウ品種と混ぜられることが多く、価格も少々お高め。少し背伸びをすれば素晴らしい香りを感じるものが多く、感動的なワインに巡り合える期待は高まります。一方、美味しいワインをコスパ重視で楽しみたいなら、まずは、アメリカ、イタリア、チリなどのカベルネ・ソーヴィニヨンを選んでみるのはいかがでしょう。

カベルネ・ソーヴィニヨンのおすすめのワイン

① 品名:シックス・エイト・ナイン サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン 
  産地:アメリカ
  飲み口:フルボディ~ミディアムボディ
  アルコール:14.5%

② 品名: ミッシェル・トリノ クマ オーガニック カベルネ・ソーヴィニヨン
  産地:アルゼンチン
  飲み口:フルボディ
  アルコール:13.5%

③ 品名: シャトー・ラネッサン 2015 カベルネ・ソーヴィニヨン 60% メルロ36%他※年度によってCSの割合が違います
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ
  アルコール:14%

メルロー

香り:ダークチェリー、プラム、コーヒー、チョコレートなど
味わい:フルーティーでまろやか
おすすめペアリング:ハンバーグ、ミードボール、和風の煮物など

フランスのボルドー地方を発祥とし、アメリカ・カリフォルニア州や、イタリア・トスカーナ、オーストラリアなどでも栽培されています。

味わいはまろやかで、しなやかな口当たりが特徴です。果皮が薄く種も少ないため、タンニンが少なく、フルーティーな味わいを若いうちから楽しめます。食事にも合わせやすい品種です。

ただし、世界中で栽培されているので、気候や土壌によって味わいや香りが少しずつ異なります。たとえば、フランス産であればまろやかさが強く、チリ産であればさらに濃厚な味わいとミントのような爽やかなニュアンスも加わります。ボルドーの代表的な品種なので、まずはボルドー産からチャレンジするのがおすすめです。

メルローのおすすめワイン

① 品名:ダックホーン ヴィンヤーズ デコイ メルロ 2019
  産地:アメリカ
  飲み口:フルボディ

② 品名:ヴィニウス メルロー ジャン クロード マス
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ

③ 品名:シュヴァリエ・ド・ボーセジュール シャトー・ボーセジュール 2020
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ 

ピノ・ノワール

香り:ラズベリー、いちご、チェリーなど
味わい:優しく繊細な酸味
おすすめペアリング:甘酸っぱい料理、甘さ控えめのスイーツ

フランス・ブルゴーニュ地方を原産とする品種。栽培が難しいため「気まぐれなぶどう」とも呼ばれ、長年ブルゴーニュ以外では栽培できないと言われていました。一方で、テロワール(ワインやコーヒーにおける、生産地ごとの土壌や気候などの特徴)を表現するのに長けており、現在では世界中で個性的なワインの生産に使われています。また、世界一高価なワイン「ロマネ・コンティ」もピノ・ノワールから作られています。イタリアでは「ピノ・ネロ」、ドイツでは「シュぺートブルグンダー」とも呼ばれます。

若飲みではフルーツの優しい酸味や香りを、熟成後はスパイスやキノコのような複雑なニュアンスも感じられます。ガツンとした強いワインではなく、穏やかでエレガントなワインを飲みたいときに選びたい品種です。

ピノ・ノワールのおすすめのワイン

① 品名:ブルゴーニュ ルージュ 2020 ダヴィド デュバン
  産地:フランス
  飲み口:ミディアムボディ

② 品名:シャーウッド・エステート ストラタム ピノノワール ワイパラ
  産地:アメリカ
  飲み口:ミディアムボディ

③ 品名:チェスコン・アルエディレ・ピノネーロ 2018 ナチュール
  産地:イタリア
  飲み口:ミディアムボディ

シラー

香り:ブラックベリー、黒コショウ、ビターチョコレートなど
味わい:力強い酸味やタンニン、コク
おすすめペアリング:スパイシーな味付けの肉料理

シラーからできるワインは色が濃く、力強いコクや風味を楽しめます。ブラックベリー、黒コショウ、ビターチョコレートなどの香りが強く感じられます。タンニンが豊富で、長期熟成によって風味が変化し、革やトリュフのような独特なニュアンスが加わることもあります。

フランスのローヌ地方と、オーストラリアが2大産地です。フランス産のシラーは「スパイシー」と表現される味わい・香りなのに対し、オーストラリア産は果実味が強く出た味わい・香りです。また、オーストラリア産は「シラーズ」と呼ばれることもあります。

シラーのおすすめのワイン

① 品名:トルブレック ウッドカッターズ シラーズ 2020
  産地:オーストラリア
  飲み口:フルボディ

② 品名:コート・デュ・ローヌ ヴィラージュ シニャルグ 2019 
  ドメーヌ・ダンデゾン
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ

③ 品名:サンコムコート・デュ・ローヌ レ・ドゥー・アルビオン シラー
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ

テンプラリーニョ

香り:イチジク、プラム、プルーンなど
味わい:程よい酸度で、エレガントな味わい
おすすめペアリング:生ハムやチーズなどのおつまみ、醤油を使った和食

スペインを代表する赤ワイン用ぶどう品種。近年では、ポルトガル、フランス、南アメリカやオーストラリアなどでも栽培され、国際的な評価も高まっています。他の品種よりも早く成熟し、生育期間が非常に短いのも特徴的です。

あまり目立つ品種ではありませんが、その歴史は古く、紀元前1100年頃~紀元前500年頃からイベリア半島に存在していたとも言われます。

育てられた地域によって様々な味わい・香りのワインを生み出します。控え目で繊細な味わいなので派手さはありませんが、心地よく飲み続けられるワインに仕上がります。一方で低温での熟成も可能で、その場合にはフルーティーなスタイルのワインも造れます。

テンプラリーニョのおすすめワイン

① 品名:サングレ・デ・トロ・テンプラニーリョ
  産地:スペイン
  飲み口:フルボディ

② 品名:クネ リオハ  クリアンサ 2016 リオハ・アルタ
  産地:スペイン
  飲み口:フルボディ

③ 品名:マルケス デ カセレス クリアンサ ヴァンディミア セレクシオナーダ 2018
  産地:スペイン
  飲み口:フルボディ

カルメネール

香り:ブラックベリー、プラム、コーヒー、黒コショウ、ビターチョコレートなど
味わい:柔らかくまろやかな渋みで酸味は控えめ
おすすめペアリング:ローストビーフ、ステーキなどの赤み肉の料理

チリの代表的な赤ワイン用ぶどう品種です。しっかり熟すまでに時間がかかる品種ですが、成熟後のぶどうを使ったワインは色が濃く仕上がります。かつてはフランス・ボルドー地方で生産されていましたが、その成熟の遅さから生産量が減少。現在はチリへと生産地が移りました。

柔らかくまろやかなタンニンで、酸味は控えめなので渋みの強い赤ワインが苦手だという人にもおすすめです。一方で、長期間の熟成によってコクはしっかりとした仕上がりになります。カルメネールのワインは比較的手ごろな価格なものが多いので、日常的に飲むワインとしてもおすすめです。

カルメネールのおすすめワイン

① 品名:テラノブレ カルメネール グラン・レゼルバ  2019 
  産地:チリ
  飲み口:フルボディ

② 品名:ビーニャ ファレルニア カルメネール グラン・レゼルバ 2019 
  産地:チリ
  飲み口:フルボディ

ガメイ

香り:チェリー、ラズベリー、イチゴ、スミレ、バラなど
味わい:フレッシュかつフルーティーな味わい
おすすめペアリング:ハムやソーセージなどの軽めのおつまみ

フランスのブルゴーニュ地方を原産とする品種です。近年ではニュージーランドやオレゴン州などでも栽培され、国際的な人気が高まりつつあります。日本ではボジョレー・ヌーヴォーに使われている品種としてなじみ深いぶどうです。ボジョレー地区で作られる赤ワインのほとんどがガメイであるともいわれます。

比較的アルコール度数の低いワインにされることも多く、味わいともあいまって初心者でも飲みやすいです。また、他の品種とブレンドし、スパークリングワインにされることもあります。

ガメイのおすすめのワイン

① 品名:アンリ・ド・ブルソー コトー・ブルギニョン 2020
  産地:フランス ブルゴーニュ
  飲み口:ミディアムボディ

② 品名:ルイ ラトゥール ムーラン ナ ヴァン 2020
  産地:フランス ブルゴーニュ
  飲み口:ミディアムボディ

② 品名:クロ・ロッシュ ブランジュ トゥーレーヌ ガメイ (レア!)
  産地:フランス ブルゴーニュ
  飲み口:ミディアムボディ

ネッビオーロ

香り:プラム、ダークチェリー、バラ、甘いスパイス
味わい:濃厚なタンニンと強い酸味、骨格のしっかりとした味わい
おすすめペアリング:ステーキやすき焼きなどの高級料理

ネッビオーロは、イタリアを主な栽培地域とする品種で、よく「イタリアで最も高貴なぶどう」と表現されます。特にピエモンテ州を中心に栽培されていますが、栽培が大変難しい上に熟成期間も長く必要なため、生産量は限られています。そのため、高級ワインの原料として有名です。

特に「バローロ」というワインは「王のワイン」と呼ばれ、世界でも最上級のワインとされています。ネッビオーロは産地の影響を強く受けるため、「バローロ」の中にもさまざまな味わいのものがあります。

ネッビオーロのおすすめのワイン

① 品名:ロベルト サロット ランゲ ネッビオーロ ナティーヴォ 2020  
  産地:イタリア ピエモンテ
  飲み口:フルボディ

② 品名:カッシーナ キッコ ランゲ ネッビオーロ 2020
  産地:イタリア
  飲み口:フルボディ

③ 品名:ネッビオーロ ダルバ 2018年 テッレ デル バローロ
  産地:イタリア
  飲み口:フルボディ

グルナッシュ(ガルナッチャ)

香り:ドライフルーツ、カカオ、シナモンなど
味わい:若飲みはフルーティー、長期熟成はまろやかながらも複雑な味わい
おすすめペアリング:チーズやハムなどのおつまみ、ラタトゥイユなどフランスの家庭料理

スペイン北東部原産の赤ワイン用ぶどう品種で、世界中で広く栽培されています。糖度が高いので、南フランスでは甘口のワインの原料としても親しまれています。また、造り方によってはアルコール度数15%前後のアルコール度数が高いワインに仕上がります。

グルナッシュは、赤ワインのブレンド用として使われることも多いぶどうです。一方でグルナッシュ単一のワインも多くあります。特にワイン初心者の方は、適度な酸味でまろやかなグルナッシュ単体のワインを若飲みで楽しむのがおすすめです。

グルナッシュのおすすめのワイン

① 品名:サンコム リトルジェームス バスケットプレス  
  産地:フランス
  飲み口:フルボディ

② 品名:ドメーヌ サンタ デュック ヴァン ド ペイ ド ヴォークリューズ レ プラン 2020     
  産地:フランス
  飲み口:ミディアムボディ

マスカットベーリーA

香り:いちご、ラズベリー、キャンディー、
味わい:フレッシュな果実味で渋みは穏やか
おすすめペアリング:みりん、出汁、醤油などをつかった和食

白ワイン用の甲州に次ぐ、日本で2番目に多いワインぶどうです。赤ワイン用ぶどうとしては日本で最も生産量が多い品種です。原産地は新潟で、岩の原葡萄園の創設者・川上善兵衛氏によって、1927年に開発されました。今では山梨、山形、島根、岡山などで生産されています。生食用も兼ねるぶどうです。

独特な甘い香りと軽やかな味わいであるため、リラックスして楽しみたい赤ワインに仕上がります。穏やかな和食や甘じょっぱいソースがかかった料理などと相性抜群です。

マスカットベーリーAのおすすめのワイン

① 品名: シャトー メルシャン 山梨マスカットベリーA   
  産地:日本 山梨県
  飲み口:ミディアムボディ

② 品名:マスカットベリーA アンウッデッド シャトー酒折ワイナリー
  産地:日本 山梨県
  飲み口:ミディアムボディ

② 品名:エステート マスカットベリーA シャトー酒折ワイナリー
  産地:日本 山梨県
  飲み口:ミディアムボディ

白ワインに使われる代表的なぶどう品種

次に白ワインに使われる代表的なぶどう6種です。

シャルドネ

香り:寒い地域はレモンやライム、暖かい地域はトロピカルフルーツ、ナッツなど
味わい:切れ味もコクも強い芳醇な味わい
おすすめペアリング:海鮮、鶏肉料理

フランス原産の白ワイン用ぶどう品種で、世界中で栽培されています。果実は中程度の大きさで、皮が薄く果汁が多く、糖度も高いため、白ワインの醸造に適しています。フルーティーな味わいが特徴ですが、樽で熟成させることにより、バターのような風味やトーストのような香ばしさが加わることもあります。

シャルドネは、その香り高さやコクのある味わいから、シャンパンのブレンド用ぶどう品種としても用いられます。世界的にも有名なブルゴーニュ地方での栽培が盛んで、モノの良いシャルドネは高価格帯で取引されることもあります。

シャルドネのおすすめのワイン

① 品名:ボルトルッツィ シャルドネ 2021 白ワイン シャルドネ イタリア
  産地:イタリア フリウリ
  飲み口:辛口

② 品名:ブレッド&バター シャルドネ カリフォルニア
  産地:アメリカ
  飲み口:辛口

② 品名:ジャン・レオン 3055 シャルドネ 
  産地:スペイン カタルーニャ
  飲み口:辛口

④ 品名:ブルゴーニュ ブラン レ ヴォー 2020 デビット・バターフィールド
  産地:フランス ブルゴーニュ
  飲み口:辛口

ソーヴィニヨン・ブラン

香り:グレープフルーツ、レモン、青りんご、ハーブなど
味わい:酸味は強めで、爽やかで繊細な味わい
おすすめペアリング:さっぱりとした海鮮料理

フランス原産の白ワイン用ぶどう品種です。フランスのほか、ニュージーランドのマールボロ地方、ニュージーランドのマールボロ地方、フランスのロワール地方、カリフォルニアなどでも栽培されています。

果実は比較的小さく、皮が厚く酸味が強く、独特の香りがあります。冷涼な地域ではグレープフルーツや青いリンゴなどの爽やかな味わいですが、温暖な地域ではより柔らかな口当たりになります。また、シャルドネと同様に、樽で熟成させることで、バニラやスパイスの風味が加わることもあります。単一で使用されることも、ブレンドの一部として使用されることもあります。

ソーヴィニヨン・ブランのおすすめのワイン


① 品名:インヴィーヴォ X SJP ソーヴィニヨンブラン 2021
  産地:ニュージーランド
  飲み口:辛口

② 品名:ドッグ ポイント ソーヴィニヨン ブラン 2019
  産地:ニュージーランド
  飲み口:辛口

② 品名:ホーニッグヴィンヤード&ワイナリー ソーヴィニヨン ブラン ナパ レイク
  産地:アメリカ
  飲み口:辛口

リースリング

香り:洋ナシ、ハチミツ、桃、リンゴ、ライムなど地域によって変化
味わい:しっかりとした酸味とほんのりと漂う甘み
おすすめペアリング:豚肉料理、白身魚、甘酸っぱいスイーツなど

リースリングは、ドイツを中心に栽培される白ワイン用ぶどう品種です。小ぶりの果実は非常に酸味があり、果実味は控えめですが独特の芳香があります。そのため、樽での香り付けが行われず、このぶどうそのものが持つ香りのみでワインに仕上げられます。栽培は冷涼な土地を中心に行われています。

白ワインの中でも特に幅広いスタイルに適応するワインで、極甘口から辛口、発泡酒などに仕上げられます。特に甘口の場合は、強い酸のおかげで繊細でバランスの取れたワインに仕上がります。

リースリングのおすすめのワイン

① 品名:ピースポーター ミヒェルスベルク リースリング シュペートレーゼ
  産地:ドイツ
  飲み口:甘口

② 品名:ドクター エル リースリング ドライ ローゼン・ブラザーズ
  産地:ドイツ
  飲み口:辛口

② 品名:リースリング・レゼルヴ トリンバック 2020 
  産地:フランス アルザス
  飲み口:辛口

甲州

香り:みかん、梨、みりんなど
味わい:フレッシュで上品な酸味ですっきりとした飲み口
おすすめペアリング:和食、和風の調味料を使った料理

甲州種は、日本原産の白ワイン用ぶどう品種で、主に山梨県や長野県などの日本の産地で栽培されています。その発祥には複数の説がありますが、数百年以上の歴史を持つぶどうで、明治時代には甲州を使ったワインが造られ始めていました。

アルザス地方のリースリング種に似た特徴を持ち、芳醇な香りや、ミネラル感があることでも知られています。生食用も兼ねていますが、多くがワイン醸造用に使われています。

酸味が豊かでありながら、穏やかな果実味も感じられ、和風の料理によく合います。「シュール・リー」と呼ばれる製法でつくられる、香り高く飲み口がすっきりとした辛口のワインが主流です。ただ、幅広いワインに対応できるので、しっかりと熟成させたコクのあるワインや、甘口なワイン等に仕上げられることもあります。

甲州のおすすめのワイン

① 品名:マンズワイン 山梨 甲州
  産地:日本
  飲み口:辛口

② 品名:シャトー・メルシャン 山梨甲州
  産地:日本
  飲み口:辛口

② 品名:サントリー ジャパンプレミアム 甲州 
  産地:日本
  飲み口:辛口

ゲヴュルツトラミネール

香り:ライチ、トロピカルフルーツ、
味わい:適度な酸味と渋み、甘口だとメロンやハチミツのような甘み
おすすめペアリング:海鮮、エスニック料理

主な生産地は、フランス・アルザス地方、ドイツ、オーストリアなどです。冷涼で乾燥した地域で育ちやすい品種です。春先に芽吹くため、霜害にあいやすく、栽培の難易度は高めだとされています。

特徴的なのはその香りです。ライチのような独特な香りが強く、個性的なワインに挑戦したいときにはもってこいです。また、ドイツ語で「ゲヴュルツ」はスパイスを意味しており、スパイシーなニュアンスも楽しめます。ワインは辛口・甘口の両方が造られています。もともと酸味は少なめですが、熟成によってさらに酸味が抑えられ、まろやかに仕上がります。

ゲヴュルツトラミネールおすすめのワイン

① 品名:ゲヴュルツトラミネール オルシデ・ソヴァージュ ミューレ 2020
  産地:フランス アルザス
  飲み口:甘口

② 品名:ガウメンシュピール ゲヴュルツトラミネール 2021 ペーター メルテス
  産地:ドイツ
  飲み口:甘口

② 品名:ゲヴュルツトラミネール トリンバック 2019 
  産地:フランス アルザス
  飲み口:辛口

ピノ・グリ

香り:あんず、トロピカルフルーツなど
味わい:豊かな果実味とまろやかなコクで、酸味は控えめ
おすすめペアリング:ベーコン、ソーセージ、鶏肉料理など軽めの肉料理

フランス、イタリア、アメリカ、オーストラリアなどで栽培されているぶどう品種です。果皮は青みがかっており、ワインの色調も通常の白ワインよりも濃くなります。

フランス・アルザスのピノ・グリは特に落ち着いた酸味で、ハチミツのようなまろやかなコクも感じさせる、飲みごたえのあるワインに仕上がります。若いうちに収穫された場合はフレッシュで軽やか、柑橘類のようなキレのあるワインになります。

ピノ・グリのおすすめのワイン

① 品名:ボートシェッド ベイ マールボロ ピノ グリ
  産地:ニュージーランド
  飲み口:辛口

② 品名:ヤルデン ピノ グリ ゴラン ハイツ ワイナリ 2018
  産地:イスラエル
  飲み口:辛口

② 品名:ピノ グリ レゼルヴ トリンバック 2018 
  産地:フランス アルザス
  飲み口:辛口

食用ぶどうとワインぶどうの違いとは?

ここまで、代表的なワインぶどうをいくつか紹介してきました。ところで、実はワイン用のぶどうはそのまま食べると美味しくないことはご存じでしょうか?

ぶどうにはワイン用だけではなく、スーパーマーケットで売られているような生食用のぶどうもあります。では、ワイン用ぶどうと食用ぶどうの違いはどんなところにあるのでしょうか。

大まかには以下のような違いがあります。

ワインぶどう生食用ぶどう
粒の大きさ小粒ワインぶどうより大粒
水分量少なく、凝縮感がある多い
糖度高い高いが、ワインぶどうよりは低い
多い少ない
厚い薄い

巨砲のような大粒のぶどうではなく、凝縮感の強い小粒のぶどうがワインに使われています。また、種の多さや、皮の厚さがワインのタンニンのもとになっています。

ただし、前述のとおり、中にはワイン用にも生食用にも使われており、明確に分けられないぶどうもあります。現在、世界で栽培されているぶどうの約8割がワインぶどうと言われています。

まとめ

世界には、この記事では紹介しきれないほど多くのワインぶどうがあります。また、ワインの世界は進化し続けており、新しい品種も続々と生まれています。

例えば、日本では2022年に下記の10種のぶどうが品種登録されました。(※)

  • ラベレッド
  • シャワセ
  • ラベリー
  • ヴェラム レッド
  • 神紅
  • 大阪R N-1
  • 甲斐ベリー7
  • YIS-RED
  • 銀河
  • 未来

特に「銀河」と「未来」は、アーティストのDREAMS COME TRUE 吉田美和さんが命名したぶどうとしても話題を集めていました。このように、毎年、世界各地で新たなぶどう品種が生まれています。

とはいえ、多くの人がおいしいと思うような代表的なワインぶどうはまだ限られています。まずは、代表的なぶどう品種を使ったワインから試してみるのはいかがでしょうか。

※参照:農林水産省「品種登録出願システム 品種登録データ検索」
http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1

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